だから、宮沢りえ
結局、いつも目を奪われてしまうのである。
「今度、朝日ヶ丘にリハウスしてきました白鳥麗子です」
校舎の廊下を小走りして急ブレーキして、バイオリン弾いて。
♪三井のリハウス~
「宮沢りえ」 である。
あれからざっと30年―
まだ「宮沢りえ」なのである。
先日、舞台「近松心中物語」を観た。 東京の新国立劇場は、平日の日中にも関わらず満員。
暗転し、幕があがり、
象徴的な無数の赤い風車とともに
そこには「日本」が浮かび上がる。
時は元禄、大阪新町の廓街―
遊女・梅川と飛脚宿の養子・忠兵衛との恋物語
その梅川が「宮沢りえ」だ。
物語は、二組の男女に訪れる過酷な運命と
そこから始まる逃避行。
凍えるほどの雪の中、互いの愛が深まるほど、
その行く先は細く狭くなり、そして「死」がちらつく。
そして―
穏やかならざる妖気をまとい、
追いつめられ、
薄いベールが一枚づつ脱ぎ捨てられるほど
現れてくる芯の強さと念の深さ・・・
そんな役が「宮沢りえ」には合う。
いや、「宮沢りえ」が演じるそんな人間に
私は惹かれるのかもしれない。
作:秋元松代 演出:いのうえひでのり
亀屋忠兵衛...堤真一
遊女梅川 ...宮沢りえ
傘屋与兵衛...池田成志
傘屋お亀...小池栄子
新国立劇場 ~2月18日
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