高橋浩由の「スポーツ素敵に隠し味」

2016年2月 2日(火)

校長室の電話の前で、スマホを握りしめて

あの日、電話はならなかった。

あくまでもマスコミは起き得ることに備えて準備していただけで

予想屋でもなければ、結果に対する何かの影響力を持っているわけでもない。

待って、そして何も起きなかっただけ。

ただ、見出しにはあえて「吉報届かず」と書いた。

 

1月29日 選抜高校野球大会出場校発表。

午後3時、済美高校の校長室。

待機しているほぼ全員が、スマホの画面で出場決定校の速報を見つめていた。

そして35分後、四国地区の出場校が決まった。3校だった。

そこに「済美」の名はなかった。

 

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オリンピック開催地の選考発表―

女子マラソンの五輪日本代表選手発表―

これまで星の数ほどの選考委員会が開かれ、

人間は選考委員会の決定に一喜一憂してきた。

が・・・

スポーツの魅力の一つには、人の意を超えたところで白黒はっきりするところにある。

相手より100分の1秒でも早ければ勝ちであり、

相手より1点でも多くとれば勝ちであり、

1点少なければ負けである。

 

そのために膨大な時間をかけて準備をする。

そしてその数パーセントにも満たない競技時間の「本番」でしのぎを削り、

「結果」を潔く受け止める。

 

選手として、チームとして、出来るのはそこまで。

そしてそれが、選手にとって、チームにとって「全て」だと思う。

「結果」は出ているのだ。

 

済美は秋の四国大会ベスト4。

2回戦で鳴門に完封勝利を収め、

準決勝では、のちに優勝し、秋の明治神宮大会で日本一に輝いた

高松商業に1点差で敗れた―。

 

秋の最後の試合から約「3か月」。

どこのチームも秋の敗戦直後から、徹底的に打ち込み、投げ込み、猛ノックを浴び、

走り込み、体幹を鍛え、バーベルを持ち上げてきた。

そしてチームは一回りも二回りも力をつけ、自信を手にし、そして年が明ける。

 

1人の野球部員の実質の活動時間は

1年生の4月から、3年生7月までの「2年4か月」。長いようで短い。

このうちの「3か月」という時間は短いようで長い。

高校生が変貌を遂げるには十分可能な時間だ。

どこのチームも、日進月歩で成長を続けている。

 

1月29日、選考委員会の机上に乗っているのは

主に「3か月前」の出来事である。

チームにとっては、すっかり「過去」だ。

言い過ぎならば、少なくとも「今」ではない。

 

高校2年生の1月。

たいていの高校球児がこう思う。

「もう最後の年か・・・」

7か月も先だが、「夏」は完全に視界に入ってくる。

 

「俺たちの目標は、あくまでも夏だ」

1月29日の夕方、済美の乗松監督も

選手たちを前にこう伝えている。

 

そうした中、全国から選ばれた32校が出場する「春のセンバツ」。

今年は3月20日に開幕する。

それは、「去年秋の結果」から、約5か月後のことである。

 

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