「象徴」 ~2012夏 混戦の愛媛~
拍子抜けするほどロッカールームは静かだった。
とても第1シードを破る金星をあげた直後とは思えない。
選手達は全く浮かれることなく、粛々とバッグや道具を片付けていた。
約10分前。
宇和島東を破った丹原。
2時間22分の試合は4対0。
第1シードに何もさせなかった。
現実を受け入れられず
崩れ落ちるように座り込む牛鬼ナイン。
まさかの「初戦敗退劇」だった。
一方、勝利の立役者は、小笠原嵩投手。
2年生のサウスポーだ。
見事な、147球5安打完封劇。
なぜ?
いくつかのポイントが浮かんでくる。
最たるものは、打者の外角低めを丁寧に突くピッチング。
こだわりと精度は高校生レベルを越える。
そしてもうひとつのポイントは、
「点を取ったら点をやらない」
2点目をあげた直後の3回ウラ、
小笠原投手は宇和島東のクリーンアップを三者凡退。
また中盤6回、味方が2点を追加した直後の6回ウラも、
ランナーを2塁に背負いはするが無失点。
加えれば、7回表、宇和島東のエース中川が
リリーフ登板しビシッと3人斬りした直後の7回ウラも
宇和島東の1番2番3番を三者凡退。
流れが傾く隙を全く与えなかった。
夏をきっかけに大きく成長していく選手は必ずいる。
小笠原嵩投手。
まだ2年生。
要注目投手の登場だ。
2回戦 丹原4-0宇和島東(第1シード)
(スタンドに金星の報告をする丹原ナイン)
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