高橋浩由の「スポーツ素敵に隠し味」

2011年01月06日(木)

紙の重み

その手は全く震えていなかった。

 

重さ、わずか数グラム。

その1枚の紙を過去どれだけ多くのゴルファーが

待ち焦がれてきたことか。

 

『マスターズの招待状』

 

その上品なクリーム色の厚紙と初対面を果たしたのは

松山市出身、松山英樹選手。

 

s-マスターズ1.jpg

 

あと7時間後には年も改まろうかという大晦日の午後5時、

愛媛、松山市内のゴルフ練習場のロビーは

家族やゴルフ仲間で祝福ムードに包まれた。

 

しかし歴史的な出来事にも、

18歳らしからぬ落ち着きの中・・・

 

「この紙切れで、すごい所に行けるんだなという感じですね」

 

s-マスターズ2.jpg

両手の指先で招待状をつまむようにして

顔のそばに近づける。

その紙の重みは―

 

「紙自体は軽いんですけど・・・」

 

「書いてある内容はちょっと読めないんですけど・・・」

 

「すごく重いものだと思っています」

 

ゆっくりだが、自分の言葉で語る松山選手。

実感はこれから徐々に体の隅々にまで広がっていくのだろうが

興奮気味の周囲の笑顔には思わず表情も緩んだ。

 

「小さい頃からお世話になっている方々がいる場所で

 封を開けることができてよかったです。

  夢の舞台なので楽しく頑張って来たいと思います」

 

そして年が明けてきょう―

 

仙台市の東北福祉大学で記者会見に姿を見せた松山選手。

招待状と共に過ごした1週間、相性も良さそうな印象だ。

 

―マスターズに出る他の日本人選手については?

 

「特に気にしていません」

 

記者からの質問にも表情は変わらない。

 

―同い年の石川遼選手や先輩の池田勇太選手も出ますが?

 

「・・・はい(笑)」

 

そう・・・それでいいと思う。

 

マスターズでプレーするのは自分であり、

世界標準を初めて計るのに「既存の物差し」は何の役にも立たない。

把握すべきは自分自身そのもので、

爪の先まで神経を尖らせて臨むのみだ。

 

16番ホールに代表される「ガラスのグリーン」、

11番から13番ホールの「アーメンコーナー」

 

立ちはだかる難コースに「技」と「心」を丸裸にされてなお、

世界中から集結したパトロンたちの前で

次ぎの1打に集中できるかどうか―。

 

「夢の舞台なので、楽しく頑張っていきたいと思います」

 

s-マスターズ3.jpg 

 

2011年4月7日。

アメリカジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ。

 

開幕日の1番ティグラウンドに、

どんな表情の松山英樹が立っているのか。

待ち遠しい限りである。

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