「ペスト」手に「激坂」思うコロナ禍で
今年4月から「ペスト」を読み始めました。
フランスのノーベル賞作家、「アルベール・カミュ」の代表作です。
世界的な大流行=パンデミックを何度も起こしている、致死率の高い「ペスト」の猛威に
さらされたアルジェリアの港町の人々の様子を詳細に描いた1947年発表の作品です。
70年以上前に書かれた作品とは思えません。「新型コロナ」と向き合う今の私たちを、
今、目の当たりにしているかのような、「不条理」にされされた人間の行動や心理の描写には
本当に驚かされます。
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ただ・・・・・・長い!さらに文章が難解!翻訳された文のリズムになれるまで
時間がかかります。そのため「5月25日」に緊急事態宣言が解除された時点で、
まだ栞のひもは本の3分の1あたりにぶら下がっていて、
その後の新型コロナに対する「緩み」で読書ペースも「緩み」、興味もやや薄れて、
ついには「ホークス3軍はなぜ成功したのか?」という別の本を読み始めてしまう始末...。
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しかし、今再び「ペスト」に復帰しました!もちろん「第2波」の予感からです。
作中、カミュは、ペストの猛威にさらされた人々が極限状態の中で、恐怖やパニックの先に
、放火や略奪を起こす様子を淡々と描写。その上で、感情の回路を切断することで
心の平穏を維持しようとする人間の心理に迫り、「死への慣れ」へと続きます。
家族や親しい人との悲しい別れも、それが続けば次第に感情が追いつかなくなり、
さらに連日街に流れるおびただしい数の死者を前に、いつしか記憶も想像力も失っていく。
そんな恐ろしい光景が時々刻々と描写されています。 ふぅ・・・
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さて2020年。連日、着実に伸びていく感染者数の棒グラフ。
一度下がって、また上り始めて・・・。
私にはまるで、自転車の「ヒルクライムレース」の勾配断面図のように見え、
最近の画面右端のグラフの伸びは、まさに「ツール・ド・フランス」や
「ブエルタ・デ・エスパーニャ」の山岳ステージに出てくる勾配20パーセント越えの
❝激坂❞のようです。コロナによる社会の疲弊具合は、選手が必死にもがく姿と
オーバーラップして見えるのです。
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そうは言っても、人類の歴史は未知のウイルスとの闘いの歴史。乗り越えてきた歴史に学び、
たくましく❝withコロナ時代❞の生き方を探っていきたいものです。
そこで次回は、コロナ禍での「サイクリング」を考えます。
(しまなみ海道 サンライズ糸山サイクリングターミナル)