日本ラグビー史上初のワールドカップベスト8に沸いた2019年。
その歴史的快挙の余韻は閉幕後も続き、2020年が明ければ、
11日の新国立競技場での早明戦には「5万7000人」の大観衆。
さらに翌12日、トップリーグが開幕すれば、
スタジアムの合計8試合の入場者数は、
4年前の南アフリカ大会後の倍の「11万6737人」。
「ONE TEAM」で世界の列強と渡り合った日本代表メンバーが
今度は敵味方に分かれてしのぎを削りあう姿は
かえって清々しく、「未来」に大いなる期待を抱かせている。
そして「未来」と言えば、その主役たちを忘れてはなるまい。
「花園」である。
19年12月27日から、2000年1月7日まで、
全国の予選を勝ち抜いた精鋭51校の高校ラガーマンたちは
聖地を舞台に今を生き、未来を見つめ、
鮮やかな緑の芝の上で、仲間を信じた。
その「花園」が、2020年の今年 「第100回」を迎える。
その歴史を支えてきたのは
日本各地で、来る日も来る日も楕円のボールを追い続け、
青春をラグビーに捧げた若き高校ラガーマンたち。
そして愛媛でも―
古城のもと、堀之内のグラウンドで
ある時は、砂煙に巻かれ、
またある時は、泥だらけになってタックルを重ねた夕暮れ時。
そんな若者たちが、
1年の集大成をぶつけた「花園予選」。
その、まばゆいばかりの青春の輝きを伝えるべく
あいテレビでは、「決勝戦」を生中継で放送させていただいている。
このうち、私が実況を担当させていただいた
1996年から2019年までの決勝戦を
今年は、当時のニュース原稿をもとに振り返っていこうと思う。
では、キックオフ!
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【96年11月23日
決勝 松山聖陵 vs 松山商 県総合運動公園球技場】
この年の「新人大会」では
決勝戦で「松山聖陵」が、「松山工」を46対0で破り優勝。
春の四国大会県予選決勝では
「松山商」が「新田」を19対18の僅差で破り優勝。
しかし、1間後のA・B代表決定戦では
「松山聖陵」が17対10で「松山商」を破っている。
そして、花園予選、全国高校ラグビー大会県予選の決勝は、
1シード「松山聖陵」と、第2シード「松山商」が激突した。
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(当時の放送から)
ブルーのジャージ、第1シードの松山聖陵と
白と黒の縞のジャージ、第2シードの松山商業の対戦となった今年の決勝戦。
先制したのは「松山聖陵」でした。
聖陵は前半4分に、キャプテン河野のハイパントキックを
9番森岡から、
最後は14番相原が、右中間に持ち込みトライ! 先制点をあげます。
これに対し、走力に優る「松山商業」は、
前半17分に、ラックからのボールを
9番金井から、8番大西、12番山内とつなぎ、
最後はキャプテン田中が左隅にトライ! 同点に追いつきます。
これで勢いづいた「松山商業」は、
前半23分にも聖陵のキックを4番泉が奪い、
11番川内が60メートルの独走で、中央に持ち込みトライ!
ゴールも決まって、12対5と逆転に成功します。
「松山商業」はこの後も、1トライ、1ゴールを決め、
19対5と、14点差で前半を折り返します。
サイドが変わった後半、「松山聖陵」は、
後半9分に、ラックからのボールを、9番森岡、6番吉良とつなぎ、
最後は左中間に飛び込んでトライ!
ゴールも成功し、19対12と追い上げます。
しかし「松山商業」は、この後も攻撃の手をゆるめずトライを重ね、
結局試合は、「松山商業」が、43対19で「松山聖陵」を下し、
2年連続7回目の優勝を決めました。
(ノーサイドの瞬間)
(第2シードの松山商業が第1シードを破り、2連覇達成)
【松山商業】 【松山聖陵】
1 村雨 1 野本
2 白石 2 坂田
3 阿立 3 高橋
4 泉 4 重見
5 安永 5 東山
6 藤村 6 吉良
7 伊藤 7 宇都宮
8 大西泰 8 江藤
9 金井 9 森岡
10 高木 10 河野
11 川内 11 神岡
12 山内 12 渡部
13 立花 13 行元
14 石田 14 相原
15 田中 15 大野
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【全国高校ラグビー大会】 花園ラグビー場
1回戦(12月28日) 〇松山商62-19仙台育英
2回戦(12月30日) ●松山商17-29盛岡工
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