銀輪通信 ~石鎚山ヒルクライム編~
「それでも幕は上がるんです」
某局の対談番組で「宮沢りえ」が言ってました。
体調がどうの、仕事がどうのと自分の準備不足を嘆こうが
もう、やる時はやるしかないと。
さすがは舞台で、病に倒れた天海祐希の代役を
わずか3日間の準備で完璧に果たした根性の持ち主。
一言が重いのであります。
それに引き替え、「8月30日」の私と言えば
忙しさを理由に、練習不足を嘆き、
前日の大雨を理由に欠場も脳裏をよぎる始末・・・
そう、「第5回石鎚山ヒルクライム」です。
それでも参加費分くらいは元を取らねばと
早朝4時起きで、国道33号を久万高原に向かうも
ただのドライブ気分は抜けきらず、
結局、ファンライド=楽しむことに徹する決意を固めた所で
会場に到着したのでありました。
ところが―
「石鎚マジック」とでもいいましょうか、
当日朝には雨も上がり、
気温もほどよく上昇すれば
霧も徐々に晴れてくるなど
言い訳のネタがひとつひとつ剥がされていくのありました。
そして気が付けば
今年もポツンとスタートライン。
ところが・・・
「たかはしさんですよね、あいテレビの!
目標タイム1時間10分ですよね?パンフレットで見ました」
後方から見知らぬ方からの、いた~い一言。
書くんじゃなかった・・・
そしてスタート。
幕は上がってしまいました―
第1区間11.0キロ、第2区間7.4キロ、
平均勾配6% 標高差920m
標高1492mの土小屋まで
約600人の「坂バカ」バトル!(敬意をこめて・・・)
シャーッ
後続車にどんどん抜かれる47歳アナウンサー。
ところが!
最初の5キロの平坦部分でのんびりしたのが幸いしたか、
坂道に入ってもペダルはクルクル。回るよ回る。
1台追い抜き2台追い抜き、進めよ進め。
こうなりゃ一気にやる気も復活。
第1区間をまずまずのタイムで駆け抜けると、
第2区間も途中足が攣りかけようが
イタイのイタイの飛んで行け。
抜きつ抜かれつ先を急げば、
霧の向こうに見えてきたのは
レッドブルのゴールアーチ!
ボオオ~♪♪♪
揺れて乱れて凡人極まりない、いたって普通のメンタルに
沁みいる響きは、ほら貝の音。
ああ、終わった―
それでも達成感だけは一丁前に訪れ、
愛車の横で、霧の向こうにあるはずの
霊峰の頂きを仰ぎ見る私なのでありました。
さあ、22キロ、下るとするか。
◆記録◆
第1区間:38分08秒41
第2区間:35分18秒73
TOTAL:1時間13分27秒14
自己ベスト2分更新~(^_^;)
「それでも幕はあがるんですよ~♬」