高橋浩由の「スポーツ素敵に隠し味」

2011年9月28日(水)

武道必修化前夜・・・

「礼」の正しいやり方を知っていますか。

 

立った状態での「礼」は...

まず、かかとをつけてつま先を45度開き、両手の平は体側に。

続いて両手をももの上に乗せ、

そのまま膝頭の上、握りこぶし1つ分の所まで自然に下げる。

それが上体を約30度曲げた形となる。

この間1秒。

そして2秒静止。

さらに1秒で元の姿勢に戻る。

合計4秒で礼を終える。

 

では座った姿勢での「礼」は...

その前に、立った姿勢から、

まず左足を引き、片膝を立て、続いて右足を引いて膝を立て、

立て爪からひら爪に切り換えて

つま先親指を重ね、最後にでん部を静かに乗せる。

両膝は握りこぶし2つ分。女性はその限りでない。

そして両手をももの付け根の位置に置く。

 

ここからまず、両膝の前方に

左手、右手の順に、両手をおにぎりの形を作るように置き、

頭を肩と同じ高さに、または床から30センチの高さになるまで下げる。

 

(・・・と記憶をたよりに書いたので不備ある場合はすいません)

 

そんな話から始まったのが

先日、県が愛媛県武道館で開いた

「武道、ダンス指導研修会」の中の柔道の実技講習でした。

 

講師は、濱田初幸さん。

そう、愛光の生徒達を鍛え、松山大学柔道部を鍛え

現在は鹿児島の鹿屋体育大学で国内トップレベルの学生を指導...

というよりも全国的には、ヤワラちゃんら全日本の軽量級のコーチで

そして自身も1979年キューバ国際で優勝するなど国際大会でも

数多くの入賞を果たした柔道家だ。

 

濱田さん講義1.JPG 

 

この日は県内の保健体育教員を対象にした講習会。

そう、来年度から始まる「中学校武道必修化」を前にした

指導者講習会である。

来年春から中学生たちを指導する先生たち40人が参加していた。

 

濱田さんの話は、柔道の歴史を紐解く所から始まった。

日本がオリンピックに初参加した1912年第5回ストックホルム大会で

団長を務めていたのが、あの嘉納治五郎氏だったとか、

国際柔道連盟に加盟している国や地域の数は200で、

これは国連加盟の193より多いこととか・・・。

 

最も興味を引いたのがフランスの話。

フランスの柔道人口は現在60万人で日本よりも多いのだが、

日本の方が実力的に上なのは、指導者の力の差だと濱田さんは言う。

 

ただ柔道を取り巻く環境は大きく違い、

最も驚いたのは、フランスの柔道指導者は全員プロだということ。

ビジネスとして成立していて、柔道の指導者として

生計を立てていけるそうだ。

つまり国家資格を持つ人だけが指導者になれ、

免許を持たないで指導すると「逮捕」される。

1955年から実施されている国を挙げての制度らしい。

だから指導者たちはものすごく勉強熱心という。

 

こうした制度のもとでの指導ゆえに

フランスでは柔道の練習、試合中などの「死亡事故」は

皆無といわれているのも納得できる気がする。

 

国際性に優れ、日本が発祥の「柔道」。

「礼」に始まり、「礼」に終わる。

 

そんな競技を日本の誇りとして温め続けていくためにも

大きなチャンスとなる来年春の「中学校武道必修化」。

 

授業現場の安全対策は大丈夫か―。

 

目の前で、寝技の稽古に励む先生たちに全てはかかっている。

 

濱田さん講義2.JPG

 

 

2011年9月14日(水)

北よりの風もそろそろ・・・

今、南半球のニュージーランドでは

ラグビーワールドカップが行われていますね。

4年に1度、ラグビー界最大のイベントであり、

ファンにとってはお祭りであり本当にワクワクする1ヶ月間です。

 

日本は初戦、フランスに敗れはしましたが

21-47、大善戦だったのではと思います。

 

なにしろアジア王者として7大会連続の日本とはいえ、

過去、勝ったのは第2回大会、宿沢ジャパンのジンバブエ戦のみ。

忘れたくても忘れられない第3回大会17―145、

悲劇のニュージーランド戦もありましたし・・・

 

さらに新田高校出身としては2人目の代表監督、

闘将、向井昭吾さんでさえ、第5回大会で4戦全敗でした。

 

さて今回、外国人選手の多さが指摘されることも少なくない

カーワンジャパン。

ユニオン重視のラグビー界、3年間その協会でプレーすれば

その国の代表選手として出場できるルールに基づくもの。

 

とはいえ「日本代表」と銘打つだけに気にはなりますが

ここは「桜のジャージ」に魂込めている選手たちの勇姿を

純粋に応援したいと思います。

 

s-110911_1630~0001.jpg 

(高校ラグビー中予大会 北条×松山工)

 

 

そんな折、先日、愛媛ラグビー界の聖地、県総合運動公園球技場で、

高校ラグビーの中予地区大会が行われました。

 

シーズン到来とはいえ、北風とは無縁の残暑厳しいグラウンドで

高校ラガーマンたちは必死になって楕円のボールを追っていました。

 

そんな中、注目した一戦は「北条」 対 「松山工業」。

北条は新人大会、春の四国大会県予選で優勝。

松山工業は県高校総体で北条を破って優勝。

花園予選まで2ヶ月足らず、夏場の猛特訓の成果が試される一戦とあって

スタンドも保護者や学校関係者でかなり埋まっていました。

 

試合は20分ハーフ。

伝統のドライビングモールを武器に総合力の北条。

重量FWと展開ラグビーのバランスがいい松山工業。

 

前半8分、北条はフルバックのカウンターからフランカーが左隅にトライ。

5-0と先制します。

 

しかし後半開始早々、松山工業は敵陣22メートル付近で

出足のいいチャージからインゴールでボールを抑えて同点のトライ。

5―5と試合を振り出しに戻します。

 

その後、北条も積極的な展開ラグビーを。

松工も密集戦で互角の勝負。

試合は同点のまま終わるかと思われました。

 

しかし後半ロスタイム、

北条は相手インゴールにプレッシャーをかけ

相手のノックオンを誘うと、そのまま抑えてトライ。

ゴールも決まって12対5、軍配は北条に上がりました。

 

見ごたえのある攻防が展開された40分。

しかし来る「花園予選」は30分ハーフの60分での勝負。

前半の残り10分、後半のラスト10分に何が待っているかは未知の世界。

互角の戦いを演じた両チームから益々目が離せません。

2011年9月12日(月)

中学校の教員の嘆き・・・

先日、キャッチあい「追跡アイ」のコーナーで

来年度から始まる「中学校武道必修化」について取り上げた。

 

放送の中では、「授業の安全確保」のための

保健体育教員の指導力や武道が専門でない教員の育成状況、

各競技団体の見方などを紹介させていただいた。

 

その企画の取材中のこと。

県内南予地域の中学校の教員から聞かされたのは

「武道の必修化による、専門外の教員の苦労もあるが、

 既に、普通の部活担当者も大変なんです」という言葉。

 

どういうことか―

 

「自身の専門競技の部を担当している教員は

 楽しいだろうし、結果も出るし、評価もされる。

 しかし、専門外の部を担当した教員は大変よ。

 辛いし、結果も出ないし、休みは無いし・・・」

 

保健体育教員であれば多少専門外でも対応はできる。

しかし県内の公立中学校138校中46校では体育教員は「1人」。

多くの中学校で、スポーツとは縁のなかった教員も

スポーツ部の顧問になることは少なくない。

 

そうなると、的確な指導はなかなか難しいだろうし

ひどい場合には生徒に練習メニューだけ伝えて

グラウンドに現れなかったりすることもあるという。

 

私も中学時代の野球部を振り返れば、

確かに部長先生は野球経験ゼロの方だった。

練習が急に楽になってホッとしたものだったが

それでいいはずは全くない。

 

一番の被害者はやはり生徒である。

伸びざかりの時期に正しい指導を受けられないのは悲劇だ。

まともな指導をうけられず、部としても体をなさなければ・・・生徒は辞める。

すると地域のスポーツクラブや少年団に入ることになるが、

活動場所が遠くなってしまえば、練習は週末だけになってしまう・・・

 

学校体育と少年団との連携、そして外部指導者と教員の連携・・・

 

やはりどうすべきか―

 

中学校武道必修化を取材していたら

またこの問題に頭をめぐらせていた。

 

s-空.jpg

(県武道館の空)

 

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