自分の役目
愛媛FCには被災地と繋がりの深い選手が5人います。
その1人、福田健二選手は
父親が宮城県石巻市で仕事中に被災されました。
現在は仙台市内の自宅で頑張っていらっしゃいます。
福田選手に聞くと、父親は建築関係の仕事で、
あの日、福田選手の父親は担当していた物件が完成間近だったそうです。
しかし―
「建築は死闘、破壊は一瞬だ・・・」
福田選手は父親から電話口で当時の様子を聞かされたそうです。
長い時間をかけて、積み上げてきたもの―
目の前から消えてしまった現実。
福田選手は今月2日の
J2中四国4クラブ合同チャリティマッチを前に
練習後、今の思いを語ってくれました。
「避難所にいる方の中には、朝起きて来れない人がいるという。
それはなぜかというと、『朝起きる意味が分からない』からだという。
なんのために起きるのか・・・。』
福田選手は続けます。
「人には誰でも、役目がある。
きょうはこれをやろう。あれをしてみよう。
そこには希望があるんですよね」
福田選手は、先日の「日本代表vsJリーグ選抜」の試合を見て
カズさんのゴールに震えたと言う。
「それこそサッカーなんかやっていていいのか・・・
これまで、自問自答してきました。
でも、心は決まりました。
自分はサッカーを通じてパワーを送るという「役目」を
しっかり果たすべきだと。
今、この瞬間にベストを尽くすこと。
1日1日を大切に過ごすこと。
そしてチームのみんなで、ひとりひとり思いを込めて
サッカーをやっていきたいです」
今月2日。
チャリティマッチ、vs岡山戦にFW福田選手はスタメンで出場。
後半途中までピッチを駆け抜けました。
「命がある以上、日々の自分との戦いです」
下を向いてしまうこととの勝負に
負けそうになる自分。
でも大丈夫。
人は決してひとりじゃない・・・