聖地の条件
新広島市民球場。
マツダ ズーム・ズームスタジアム広島。
略称「マツダスタジアム」
初めて行った。
面白いスタジアムだ。
メジャーのスタジアムをイメージして
内野が天然芝で、スタンドの勾配も緩やかで、
ファウルグラウンドが狭くて選手が間近に見られて・・・。
そしてご存知のとおり
熱烈なファン向けの「パフォーマンスシート」をはじめ、
「ボックスフロア」に「パーティフロア」
「ブルペンレストラン」に「のぞきチューブ」などなど。
名前だけでもワクワクする。
さらに特徴的なのが左右非対称の造り。
レフトスタンドの中央付近がぽっかり空いているのだが
なんでだろう~とぼんやり眺めていると
突然「シューッ」と視界に飛び込んできたのは「新幹線」。
これはレフト後方が
「山陽本線」「山陽新幹線」の軌道になっているためだが
マツダスタジアムでは
その設計上の制約を逆手に取っているのがまた憎い。
なんとJRの乗客も球場の観客と見たてて、
車窓から試合をチェックできるということだ。
この独特の球場設計を担当したのは
「環境デザイン研究所」。
ここは、あの北島康介も何度も泳ぎ、日本選手権の会場としても有名な
「東京辰巳国際水泳場」などを設計している。
実は私もここによく通っていたのだが、
外から見ても中に入ってもなかなか楽しい場所である。
この日は、広島―阪神3連戦の初日。
結局私は、カープの試合前練習中だけの滞在で非常に残念だったが
RCC中国放送のスーパー実況アナウンサー「一柳さん」が
実況担当日にも関わらずアテンドをしてくださった。
深く感謝。
で、スタジアムに話を戻すが
あらためて驚くのは・・・
「マツダスタジアムの建設費は、坊っちゃんスタジアムより安い!」
・・・という事実。
坊っちゃんスタジアム 118億円
マツダスタジアム
本体建設費 90億円+22億円
→ロッカー、スポーツバー、球団事務所等
カープファンでぎっしり埋まるスタンド。
ビッグなスコアボードなど、
完全プロ使用のこのスタジアムが
なぜ・・・坊っちゃんスタジアムより安いのか。
それはスタジアム内のプレスルームに向かう道中に一部判明した。
「これで完成・・・なんですよね」
ファンの目に触れないような通路などの天井、壁などは
極力簡素な造りになっていたのだ。
エアダクトなどはむき出しの所が多く、
構造上問題ないところは「壁」というよりは「仕切り」に感じる。
実際、様々な工夫で建設費を抑制したことこそ「メジャー仕様」なのだ。
坊っちゃんスタジアムの通路や壁、
ロッカー、会議室などを思い浮かべるとその差は歴然だ。
そう「坊っちゃんスタジアム」はあらためて「立派な」球場なのである!
だから!「愛媛FC」が困っているのである!
(次回、聖地の条件は「箱」≦「人」 につづく)