ダイドードリンコ 日本の祭り 川名津柱松神事川名津柱松神事 ダイドー祭りドットコム

番組概要
川名津柱松神事

全国でも有数のミカン産地・愛媛県八幡浜市川上町。
秋から冬にかけて摘み取り、出荷作業で大忙しの日々が終われば年に1度の春祭りが始まる。川名津柱松神事。

江戸時代に地域を襲った大火事がきっかけで厄火ばらいとして始まった神事は、現在では、数え年で42歳を迎えた男たちの厄ばらいとして続いている。

早朝に山から大木を伐りだし海へ運ぶ。地域総出、男たちにより神社に柱を立て、深夜まで神楽が奉納される。
そして最後には、地域住民の厄を祓うため、松明を担いだ男が柱に登る。

柱に地域の思いが集まり、そして人は舞う。
それはまるで一本の大木が地域の絆を象徴するかのように・・・。

川名津柱松神事エピソード

川名津神楽保存会 伊賀忠三さん

川名津神楽保存会 伊賀忠三さん

この祭りに神楽が奉納される。川名津神楽は祭りと同じ歴史があり、伝承されてきた。しかし、高齢化などを理由に後継者の育成が進まない状況があったことから、神楽保存会を結成し、保存と伝承に努めている。

川名津神楽保存会の伊賀忠三さん60歳(写真)は、神楽を舞って40年というベテラン。これまで500程度の舞台は経験してきたという。

伊賀さんが神楽を始めた理由は、消極的な性格を変えようと思ったから・・・。
しかし、神楽を舞う回数が増えるにつれ、その魅力にひかれていった。

「川名津神楽は伝統というよりも、大衆に親しむ神楽。
漠然と見てもらうのでなく、一緒に参加してもらう神楽を目指している」

祭り本番は5時間にも渡り奉納される神楽。伊賀さんは、
「舞っていたら、知らない間に時間が経って、終わっている。
やっぱり神聖な気持ちになって、自然と力がわいてくる」と話す。

川上小学校の神楽授業

川上小学校の神楽授業

地元の伝統文化を子供たちに・・・。
八幡浜市立川上小学校では、5年前から小学6年生の活動として、
川名津神楽を実際に保存会から習い、年4回の行事で発表している。
今年は2つの演目にチャレンジ。太鼓もすべて小学生。
舞う方も、太鼓も、みんな必死で頑張っている。

指導している小学校教諭は、

「地元にこんな素晴らしい伝統があることを身を持って体験し、
地域の人が情熱を持って守っている姿を見て、川上を好きになって欲しい」
と話していた。

夏の集会、敬老会、冬の公民館まつり、そして最後は祭り本番に神楽を披露。
子供たちは、すでに小学校を卒業し、中学1年生になり、その成長した姿を地域の人たちの前で見せる。

久しぶりの笑顔に出会う

久しぶりの笑顔に出会う

42(しじゅうに)とは何か?これは、川名津柱松神事において、中心的存在となる数字です。数え年で42歳になった男性たちが、柱を寄進し、祭りが執り行われます。
今年の42は10人。酉年と戌年生まれの年代から「酉戌会(ゆうけんかい)」と、名づけられ、久しぶりに集まった同級生が一致団結して、祭りを動かします。

そして、忘れてはならないのが、女性陣。42の同級生10人が祭りのまかないを担当します。
地元にいる人は2人。あとは祭りのために、県外から帰ってきます。東京、千葉、香川・・・。この祭り、42の時はやはり特別なものがあるのでしょう。

同窓会とか定期的にやっていなかったので、この42の年が待ち遠しかったという女性の声も聞こえました。

故郷に帰ってくる祭りがあるのは、少年少女の記憶が蘇る2日間でもあるのです。

力を合わせ柱を引く

力を合わせ柱を引く

謎の掛け声「ボーホンイェー」とは何なのか?この祭りにおいて、1日中この言葉が聞こえてきます。
その意味を、祭り関係者らに問いかけても、「昔からの掛け声なので、意味は分からない」という言葉がかえってきます。
川名津柱松神事に詳しい方に聞いてみると、愛媛県の南予地方で力を入れるときに「フンエー」という言葉を発するところがあり、それが、江戸時代から続く祭りの歴史の中で、「ボーホンイェー」に変化したのでは?という分析がありましたが…その本当の答えは、結局、分からないままでした・・・。

しかし、番組担当ディレクターが祭りに参加し、一緒にボーホンイェーと叫んでみると、何故か力がわいてくる。動かないものも動く。そして、頑張れ!と応援している気持ちになりました。
理由は分からないが、「ボーホンイェー」は、地域の人々の心と力を1つにする魔法の言葉だと感じました。

名物?川落とし

名物?川落とし

川名津柱松神事は、厄払いの神事。ご神木を寄進し、神社に立てる。という静かなものだと当初は思っていました。
しかし、ハレの日を迎えた祭り人は、とにかく盛り上がるのです。
川上小学校の近くに「蟻王川」という小さな川があります。そこは、祭りの日には、堰き止められ、臨時のプールのような状態になります。お昼過ぎ。川名津柱松の名物とも言える「川落とし」が始まります。

青年団と42が川に落としあい。それを大勢の見物客が見ているのです。

そして、なんとなんと取材ディレクターも、川に落とされてしまうのです。

今年の祭り当日の気温は15度。比較的温かかったものの、水の中は冷たい。
そして濡れた服で立っているとこれがまた寒くてしょうがないのです。

後で聞いてみると、「川落とし」に神事的な意味はないそうで、「余興」だといわれました。しかし、あの盛り上がりは、祭りの1日を楽しくしたいという祭り人の意気込みが感じられるものでした。

川名津柱松神事は、何かと奥が深い祭りです。

ご覧いただきありがとうございました。
川名津柱松神事 ダイドー祭りドットコム