答えを知りたいわけではない。
考えたかったのだ。
* * *
目の前にある色紙にはこうある。
「故障無く マラソンのスタートラインに立つ」
土佐礼子さんの言葉だ。
去年9月、世界陸上大阪大会で銅メダルに輝き
翌年の北京オリンピックへの抱負を問われた土佐さんは
色紙にこうペンを走らせた。
その時は、正直ピンとこなかったのを覚えている。
「粘って、金!」
「泣いても金!」
そんな言葉を想像していた。
しかしこれが、土佐さんにとって
どれだけ意味深く、
どれだけ難しく、
そして重要なことだったのか―
「故障なく・・・」
もしそんな事が可能ならば、素晴らしい結果が待っているのに!
どんなレースをするかとか、メダルだとか、
そんなことは、故障さえ無ければ、痛みさえ無ければ
おのずと結果はついてくるはずなのに・・・
自分を知り尽くしているからこそ、
「故障無く」スタートラインに立てさえすれば・・・
究極の願いだったのだろう。
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北京オリンピック 女子マラソン
土佐礼子選手 途中棄権
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その要因のひとつとして上げられているのが「外反母趾」。
私の母もそうだから良く知っている。
足の母指球の外側が外に張り出し、親指の先は斜め内側を向いている。
やはり日常生活でもそこに疲れが溜まりやすい。
ましてや、走るとなるとその苦労は想像に難くない。
しかも走る専門家となれば、これはとっても有り難くない症状である。
土佐さんは、その外反母趾の影響で
過去に左足の指3本を折っている。
さらにその左足をかばって、右足の指も折っている。
「だから、もう折れないんじゃないかな」