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「北京」と「ミュンヘン」結ぶ 58秒91


2008/08/11 22:26
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「25mまでスーッといった時に、

あっ!タイミングがすでに合っていると思って。

         僕はもうここで優勝だと思いました」

 

そう話すのは、「田口信教」さん。

1972年ミュンヘンオリンピック、

男子「平泳ぎ」の金メダリスト。

あの「ニッポンのタグチ」だ。

 

どうしても感想をお聞きしたかった。

同じ経験をした者からの一言を。

 

「世界新記録」で「金メダル」を獲った者のみが知る世界を―

 

田口さんは言った。

 

「北島が25m泳いだ時点で金メダルを確信しました」

 

その眼力こそ「金メダル級」だ。

 

理由がある。

 

「このレースに出てる選手の中で1番泳ぎがいいんです」

 

とても分かりやすい。

 

そしてこう続けた。

 

「平泳ぎはキックで進みます。

 その時、実はトップ選手たちはひねりを使うんです。

 ただ、そのひねりのタイミングと腕のかくタイミングが難しい。

 でも北島くんは、きょうは早くからそのタイミングが合っていた。

 スタミナは後半になっても落ちないのは知っているので、

 あ、優勝すると思いましたね」

 

そして「世界新記録」で「金」。

 

その重みを、36年前「世界新記録」で「金」に輝いた田口さんは

北島のどこに視線を注いでいたのか。

 

「難しいことを言うつもりはないんですけどね」

 

そう前置きした上で、次のように語った。

 

「平泳ぎという種目は、隣を見て泳ぐレースをするわけではないんです。

 隣は見えないんです」

 

そうか、確かに息継ぎの時、正面を見据えたままだ。

クロールは息継ぎで横を向く。

そして田口さんは、こう続けた。

 

「隣が見えたら、それはもう完全に負けです。

 見えないから自分との闘いなんです。

 あのスタート時点の顔、表情、すごい集中している顔。


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